下肢静脈瘤のレーザー治療
てとあしの血管クリニック東京
院長
井上 芳徳
下肢静脈瘤に対するレーザー治療は10年前に本邦で導入され、現在は一般的な治療法として広く普及しています。低侵襲かつ高い有効性とともに合併症がほとんどなく、患者さんにとって負担の少ない治療法です。多くの施設で日帰り手術として実施しており、手術時間:30-40分と短時間での治療が可能となっています。術後の疼痛もほとんどなく通常通りの日常生活を送ることが可能ですが、入浴制限があることが唯一の欠点です。
具体的には、
1)静脈麻酔で眠った後に、局所麻酔を実施して細い針を穿刺し、レーザーファイバーを静脈内に挿入します。
2)先端を伏在静脈が深部静脈に合流する2cm手前(足の付け根あたり)に位置させます。
3)焼灼する静脈周囲に浸潤麻酔(薄めた局所麻酔)を実施します。
4)レーザーを照射して静脈を焼灼します。
5)焼灼を終了した後に、ふくらはぎの目立つ静脈瘤を切除します。
治療成績は極めて良好で、初期成功率:ほぼ100%、治療5年後でも100%近くの伏在静脈が閉塞した状態を保っています。手術直後に極めて稀に深部静脈血栓症となり内服治療を要することや、また静脈瘤切除部に神経障害(しびれ感など)をきたすことがあります。しかしながら、下肢の症状が軽快することにより快適な生活を取り戻すことができるとともに、女性にとっては静脈瘤がほとんど目立たなくなる利点も有しております。
下肢静脈瘤に対するレーザー治療と共に、診断や保存的治療についても詳しく紹介いたします。
講演動画
プロフィール
(医籍登録番号) 272758 登録年月日 昭和58年5月13日
昭和58年3月
同 5月
昭和59年4月〜
昭和62年9月
昭和62年10月〜
平成3年3月
平成3年4月
平成4年7月
平成7年6月
平成13年4月
平成19年4月
平成27年4月
平成29年3月
平成29年4月
東京医科歯科大学医学部卒業
同大学第1外科入局
土浦協同病院心臓血管外科、取手協同病院外科、江戸川病院で外科研修
東京医科歯科大学 消化器外科および血管外科研修
太田西の内病院外科で外科研修
米国カルフォルニア大学サンフランシスコ校血管外科へ留学 8ヶ月間
第1外科 助手
血管・応用外科学 講師
附属病院 血管外科 診療科長
総合外科学 准教授
同 退職
てとあしの血管クリニック東京 院長