最近、生活習慣病としてメタボリック症候群が注目されています。内臓肥満に加えて糖尿病や高血圧、脂質代謝異常を伴うと、高頻度に心血管イベントを生じ、生命予後が不良になることが知られています。なかでも糖尿病をはじめとした生活習慣病は、動脈硬化の危険因子となっており、予防を含めた常日頃からの健康管理が大切です。
一方、心疾患や脳血管障害、末梢動脈疾患は動脈硬化を共通の基盤としており、それぞれを個別の病気として扱うのではなく、動脈硬化を起こす可能性がある「アテローム血栓症(血液の壁につくドロドロした異物)」として包括的に捉える考え方が医療関係者の間で定着してきました。このアテローム血栓症を早期に診断し管理を進めることが、長期の生命予後を改善するものと期待されています。
「一般社団法人 日本心・血管病予防会」の設立を機に、私たちはアテローム血栓症の早期診断と、生活習慣病の予防について、多くの医療従事者の協力を仰ぎながら、講演会をはじめさまざまな場を通じて、啓発活動を積極的に実践する所存です。